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  • 執筆者の写真staff M

国立台湾大学 哲学学科

更新日:2021年7月8日


哲学とは?哲学科は何を勉強するの?


 皆さんは「哲学」という言葉にどのようなイメージを持っていますか?「よくわからない…」、「あまり役に立たなそう…」、だいたいの人がこんな感じだと思います。しかしその一方で「哲学は必要だ!皆が学ぶべき学問だ!」と主張する人もいます。じゃあいったい哲学って何なのでしょうか?哲学は学ぶべきなんでしょうか?哲学が何なのか、正直なところ、僕にもまだはっきりとはわかりません。ですが、僕が哲学を学ぶきっかけになったある哲学者の言葉を借りて答えるならそれは「物事を根底から”疑い”、本質を”洞察”する」学問、言い換えれば『ある考えを聴いた人が「なるほどたしかにそれは本質的だ」と思える答えを編みだすための学問』だと思います。本質というと難しく聴こえるかもしれませんが、小学校で勉強する道徳(倫理)はまさにその一例です。「人間はどのように生きるべきか」という問いに対して、思案と討論を重ねながら1つの答えを導き出す、もしある問いに対してクラスメイト全員が「そうだよね、そういう選択をするべきだよね」となったならその答えは本質と言っても良いと思います。よりおおくの人と共有可能な答え(本質)を導くために高い思考力と論理力を以て難題に挑む、それが哲学であり、哲学科はその本質を見抜くためのスキルを養うことのできる学部だと考えています。哲学のおもしろいところは経営や科学、医学などいろいろな分野で応用可能なことです。僕のいる台湾大学の哲学科では哲学史と哲学の主要分野(倫理学、形而上学、美学、認識論等)を学んだあと、臨床哲学や宗教哲学、デカルト哲学や孔子哲学など専門的分野を自分で選択して学んでいきます。扱う分野が広い分、自分の興味に応じて選択できるので、興味があることはまだ決まってないけど考えることは好き、というひとでも充実した成果を得ることができると思います。


大学を選んだ理由は?大学生活はどうですか?

 僕がその哲学を学ぶ場として台湾大学を選んだのは、台湾大学が台湾で最もレベルの高い総合大学だからです。世界大学ランキングに載せられるだけあって教育水準も高ければ、大学構内のあらゆる場所に勉強スペースがあったり、奨学金が手厚かったりと学生の勉強をサポートする設備と制度が整っています。僕は國立台灣大學國際學位生助學金という4年間の学費免除(あるいは減額)に加え、毎月約2万の生活費を受け取れる奨学金を受けていますが、給付型なので卒業後の心配もありません。ですがそれだけの環境が整っているだけあって集まってくる学生も一流です。予想以上に勉強のレベルが高かったことや用いる言語が違うことによる学習の遅れにはしばらく頭を悩まされましたが、日本語の参考資料を探したり時間の使い方を工夫することで、ある程度克服ができました。ですがもし1年前に戻ってやりなおせるとしたら言語はもちろんですが、専攻(哲学)の勉強もすると思います。小学校から高校まで12年間勉強をしてきたと言えど、大学水準の勉強を外国語でするとすればそれは容易なことではありません。入学前に自分の専攻の知識や思考基盤ができていればより充実した生活ができていたと思います。逆に当時やっておいてよかったなと思うのは時間と自分の使い方を少しでも知ろうとしていたことです。台湾留学するしないに限らず、朝起きして勉強をする習慣をつけたり、作業にあった自分のスタイルやストレス発散の方法を知っておけば、より充実した生活を送れると思います。


これから進路選択をする後輩へ

「なんで数ある学科の中からその学科を選択したの?」

これは僕がこの1年間で最も多く受けた質問です。学部選択を迫られた当時僕自身も同じ悩みを抱えていました。哲学は好きです、考えることも討論することも。でもそれが今後必ず役に立つと断言できる自信がなかったんです。でも進路相談のときの僕の副担任だった先生の「大学で手に入れるのは知識だけじゃない」という言葉が僕の選択に自信を与えてくれました。大学での出会いや経験もそうですが、学部では表面的知識だけでなく学部的視野を養うことができます。社会学部であれば分析的視野を、経営学部であれば経営的視野を、哲学では論理的視野を養うことができます。そういった観点で考えれば、学ぶ意義のない学問はないと思います。それに文系の学問には実益に結びつかないものも多いですが、そのほとんどが人間の文化に根付いたものです、美術や歴史、遺物や民族など…。そういった知識は旅行のときや友人と談話しているとき、読書のときなどふとしたときに生活に充足感を与えてくれると僕は思います。理系の学問に興味があって…経営学部に入れば実務的技術が養えるから…そういった理由で志望学部を選択するのも十分理に適っていると思います。ですが、だからといって短絡的に他の選択肢を捨てるのではなく、本当にその選択で良いのか、しっかり考えて選択して欲しい、というのが僕が自身の経験から1番伝えたいことです。


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